「投資」という言葉を聞いて真っ先に思い浮かべるのは「株」や「不動産」でしょう。そしてもう一つ良く聞く言葉があります。それが「FX(Forex)」です。
FXとは「Foreign Exchange」の略で、外国為替証拠金取引の事を指します。「ドル円」や「ユーロ円」などはFXの取引ペアの一つです。
この記事ではFXについて、まだFXをやったことがない方、資産形成としてFXを始める事を考えている方、FXのメリットやデメリット、そしてFXとの付き合い方について解析していきます。
FXとは為替取引の金融商品です。
FXとは「外国為替証拠金取引」という金融商品を指していて、アメリカのドルや日本円など通貨と通貨を交換する取引の事を指します。例えば日本円の口座を使って、アメリカドルを購入し、ある程度上昇したら購入したドルを売って利益を得る。もしくは高い価格でドルを売って価格が下がったら買い戻す、この2つの売買で成り立っています。
実際にはそんな単純な事ではないのですが、通貨を「買う」か「売る」事で利益を出していくことを目指す取引です。
1ドル100円でアメリカドルを買い、1ドル110円で売れば1ドルあたり10円の利益が出ます。
1ドル110円でアメリカドルを売り、1ドル100円で買い戻せば10円の利益が出ます。
FXでのレバレッジ
FXでは「レバレッジ」と呼ばれる信用取引を行うことが出来ます。レバレッジとは「てこ(レバー)」が由来となっている言葉で、小さな資本で大きな証拠金を動かす事が出来る仕組みです。証券口座開設時に「◯倍レバレッジ」と記載があり、例えば10倍の場合、1万円で10万円分の取引を行うことが出来る仕組みです。
レバレッジを利用すると元手が少なくても大きな投資をすることができ、利益を最大限伸ばすことが可能です。利益を大きく出来る分、外れた場合の損失も大きくなります。大きな利益を得ることができるが、大きな損失を被ることもある、それがレバレッジです。
FXのチャート
FX取引を行う際、以下のようなチャートを見ながら取引を行います。特に有名なチャートスタイルが「ローソク足」と呼ばれるチャートで、一見蝋燭に見える複数のバーから成り立っています。
ローソク足は2種類あります。写真でいう緑色の物が「陽線」赤色のものが「陰線」です。陽線は価格が上昇した場合に現れるローソク足、陰線は価格が下落した際に現れるローソク足です。
陽線も陰線も、ローソク足は4つデータから構成されています。その4つは始値、高値、安値、終値の4つです。
- 始値:単位期間開始時の値段
- 高値:期間中の最高値
- 安値:期間中の最安値
- 終値:短期間終了時の値段
ローソク足の太い部分(始値と終値の間)は実体といいます。またローソク足から上下に飛び出ている細い部分は「ヒゲ」と言います。ヒゲには2種類あり、上に飛び出ているものは「上ヒゲ」下に飛び出ているものは「下ヒゲ」と呼びます。
相場感を掴むためにこのローソク足を単体で見たり、チャート上で表示して複数個表示させたりと組み合わせながら現在のトレンド(全体的に上がっている相場なのか、下がっている相場なのか)を分析して取引を行います。
ローソク足の基本とチャートの見方についてはこちらの記事もご参照ください。
FXのメリット
通貨を取引して行うFXには複数のメリットがあります。
具体的にこの記事では以下の4つのメリットについて深堀りします。
- 少額で始めることが出来る
- 取引手数料が安い
- レバレッジをかけ短期で多くの利益を求めることができる
- 取引可能時間が長い
まず、FXは少額で始めることが出来ます。数千円での取引も可能で、手元にあるお小遣いですぐに始めることができるのが魅力の一つです。株式取引などは最低購入単位が100株の証券会社が多く、最低でも数万円から数十万円の資金が必要になります。通貨を取引するFXは大きな元手を必要としないのが魅力の一つです。
また、FXは取引手数料が安い事も挙げられます。取引にかかる手数料は基本的に無料で、売買の実質的なコストは売値と買値の開きを指す「スプレッド」のみです。このスプレッドは米ドル・日本円の通貨ペアでは0.2銭前後となっていて、手数料が安く自分の利益を大きく取ることが出来ます。
FXではレバレッジ取引を行うことで、少額の元手で大きな利益を求めることも出来ます。多くの取引所では最大25倍のレバレッジをかけることができ、1万円の入金で25万円分の取引を行う事が可能です。少ない元手で利益を大きく取る事が出来るのもFXが注目されている理由の一つです。
FXは基本的に月曜日から金曜日まで24時間取引が可能です。日本株の場合は東京証券取引所の営業時間に、アメリカ株の場合はニューヨーク取引所の営業時間に準じていますが、FXでは24時間取引が可能です。副業として仕事終わりに夜だけ取引をしたり、自分に合った時間で取引をすることができます。
FXのデメリット
一見魅力が多いFXですがデメリットもあります。
- レバレッジをかけすぎて大きな損失を被る
- 動きが激しく先読みが難しい
- 急変動により大きな損失を出す可能性がある
まず、メリットの一つであった「レバレッジ」はデメリットにもなります。25倍のレバレッジをかけた場合、1万円で25万円分の取引を行うことが出来ますが、損失を出した場合は25万円分の損失のダメージが入ります。実際には「ゼロカット」と呼ばれるシステムで、自分が入金した額より大きな金額の損失が出そうになったら全て損切りするというシステムを導入している証券会社が多いですが、無い場合は追証が必要になる場合があります。またゼロカットとなった場合は入金した証拠金は全て失うことになります。
FXは法的通貨を取引しているため、世界中のし上や国際情勢が関係し、値動きを読むのがとても難しいです。ファンダメンタル(ニュースや情勢を追っての取引)はとても難しく、常に世界中のニュースを追いかける必要が出てきます。実際にはチャートのみを見て分析する「テクニカルトレード」スタイルの手法も多くあるので、このデメリットは自身の勉強で解決する事も可能です。
FXは大きな値動きが起こりやすい為、急変動により大きな損失を被るリスクがあります。要人の発言や金融政策に関する発表、変更などにより急激な値動きが起こることも多いです。その場合、今までの相場感と大きく代わり反転することもあります。解決策としてストップロス(いくらになったら損切りするか)を設定しておくことで、相場が逆行した際にも損失を最小限で済ませる事が出来ます。
FXは不安定。より安定的な資産へ変えていこう。
FXは株や不動産と比べ不安定な金融商品と言われています。短期的に大きな利益を出すことができるのが魅力なのがFXですが、その代わりに大きな損失を被る可能性も否定出来ません。金融商品はどれもリスクは少なからずありますが、FXの場合は特に注意が必要です。
最初はデモトレードなどで知識をつけ、余裕資金から、そして少額から取引を行い自信をつけていく事が重要です。また利益が出たらすぐに元手は回収して、別の口座に移しましょう。これを徹底する事で元手より損失を被る事はなくせます。
またFXで安定的に利益を出すことが出来るようになったら別の金融資産へ移すことも視野に入れてみてください。配当金を狙える株式やポートフォリオの安定化を目指した貴金属、家賃収入を得るための不動産など多くの金融商品があります。
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